■ 第2章:肩甲骨と股関節の連動メカニズム
マラソンランナーの多くは、「脚で走る」と考えがちです。
しかし、効率的に走るためには 肩甲骨で腕を振り、股関節で推進力を生む という連動動作が必要不可欠です。
1. 肩甲骨は「走りのエンジン」
肩甲骨は肋骨の上を滑るように動く構造を持っています。
走行中、この肩甲骨が後方へ引かれることで胸が開き、呼吸がしやすくなります。
また、腕振りの軌道が大きくなり、骨盤・股関節の回旋がスムーズになります。
しかし、デスクワークや前傾姿勢の多い生活習慣によって肩甲骨が外側・前方に固まり、
動きが小さくなってしまうと、次のような悪影響が起こります。
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呼吸が浅くなる → 持久力の低下
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腕振りが小さくなる → 歩幅が狭くなる
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股関節の回旋が減る → 推進力の低下
結果として、肩甲骨の可動域不足がタイムの低下に直結します。
2. 股関節は「推進力のアクセル」
股関節は骨盤と大腿骨をつなぐ関節で、走る際には前後だけでなく回旋や外転・内転の動きも同時に行っています。
股関節の可動域が広いほど、
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ストライドが大きくなる
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着地の衝撃を吸収できる
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脚運びが軽くなる
といったメリットがあります。
逆に、股関節が硬くなると膝や腰への負担が増え、
ランニング障害(腰痛・膝痛・鼠径部痛)のリスクが高まります。
3. 肩甲骨と股関節は「対角線でつながる」
ランニングでは、右腕を後方に振ると左脚が前に出ます。
この動きは 「対角線連動」 と呼ばれ、体幹を介して肩甲骨と股関節が同時に動く仕組みです。
もし肩甲骨の動きが制限されると、この連動も崩れ、股関節の推進力が低下します。
逆に股関節が硬いと、肩甲骨の動きも小さくなり、腕振りも縮こまってしまいます。
このため、肩甲骨と股関節は セットでケア・改善 することが、ランナーのパフォーマンスアップに直結します。
4. ランナー特有の肩甲骨痛の原因
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長距離走行による僧帽筋・菱形筋の疲労
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腕振り動作の反復による筋肉の張り
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呼吸筋(前鋸筋・小胸筋など)の硬化による肩甲骨固定
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姿勢の崩れ(猫背・前傾)による肩甲骨外転位の固定
これらの要因が積み重なることで、肩甲骨内側や外側に 「じわ〜っとした鈍痛」 が発生します。
5. ランナー特有の股関節痛の原因
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長距離の反復動作による腸腰筋・大腿直筋の過緊張
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着地衝撃による股関節関節包のストレス
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姿勢不良による骨盤の傾きの偏り
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肩甲骨の動き不足による骨盤回旋の減少
特に鼠径部外側の痛みは、骨盤と股関節の動きのアンバランスが背景にあります。
次の第3章では、
当院での「万能ストレッチ®」を使った肩甲骨&股関節連動改善アプローチ を詳しく解説します。
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