■はじめに
腰痛は日常生活で非常に多くみられる症状ですが、その原因の一つに長時間同じ姿勢による筋筋膜性腰痛があります。
特に車の運転は座った姿勢が長時間続き、腰への負担が大きくなるため、長距離運転後に腰が痛くなるという方は少なくありません。
今回は、50代女性・ロングドライブ後の腰痛の症例をご紹介します。
神経症状(しびれや坐骨神経痛)はなく、筋肉と筋膜の過緊張による典型的な筋筋膜性腰痛でした。
当院では鍼治療+万能ストレッチ整体+セルフケア指導の3段階アプローチで改善を図りました。
■患者様の背景と症状
患者様は50代女性。
趣味で車を運転して県外まで出かけることが多く、この日も往復で約8時間のロングドライブをされた翌日、腰に強い痛みを感じて来院されました。
来院時の主な症状は以下の通りです。
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長距離運転後の腰の鈍痛
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特に立ち上がるときの腰の重だるさ
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朝起き上がるときのこわばり
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前屈や長時間座位で痛みが悪化
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しびれや脚の放散痛などの神経症状はなし
■筋筋膜性腰痛とは?
筋筋膜性腰痛は、腰部の筋肉や筋膜に持続的な負担がかかることで炎症や微細損傷を起こし、痛みを引き起こす状態です。
特徴的な症状としては、
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動作時(特に前屈)に痛み
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局所的な圧痛
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動き始めに痛みが増す(起き上がり・立ち上がり時)
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安静時は比較的軽い
車の運転は座ったままアクセル・ブレーキを踏み続けるため、腰部〜骨盤周囲の筋肉が固定されやすく、血流も低下します。
これが腰部筋肉の緊張や筋膜の滑走不良を引き起こし、痛みの原因となります。
■当院での評価
初回来院時に姿勢・動作・触診の評価を行いました。
結果として以下の所見が得られました。
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腰部(特に脊柱起立筋・多裂筋)に強い圧痛
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前屈可動域の制限(指先が床から20cm程度)
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ハムストリングの短縮
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骨盤前傾・後傾動作の制限
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腰部筋膜の滑走不良
神経症状はなく、典型的な筋筋膜性腰痛と判断しました。
■施術プラン
1. 鍼治療(急性期)
まずは痛みと筋緊張を和らげるために鍼治療を実施。
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圧痛点への局所鍼
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深層筋(多裂筋・腰方形筋)へのアプローチ
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血流改善と鎮痛効果の促進
2. 万能ストレッチ整体(回復期)
痛みの軽減後、腰部〜骨盤周囲の可動域を改善。
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骨盤・腰椎・胸椎の動きを回復
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ハムストリング・腸腰筋の柔軟性改善
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筋膜の滑走改善
3. セルフケア指導(再発予防期)
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ドライバー向け腰痛予防ストレッチ
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車内でできる骨盤運動
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運転後の腰部リセットストレッチ
■施術経過
初回〜2回目
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鍼治療で腰の重だるさが軽減
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前屈時の痛みが半分程度に減少
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車の乗り降り動作がスムーズに
3〜5回目
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万能ストレッチ整体で腰・骨盤の動きが回復
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長時間座っても腰の重さが出にくくなる
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朝のこわばりが改善
現在
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月1回メンテナンス施術
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ドライブ前後のセルフストレッチ習慣化
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長距離運転後も腰痛が出にくい状態を維持
■ドライバー向け腰痛予防セルフケア
1. 骨盤前後運動(車内で)
シートに浅く座り、骨盤を前後にゆっくり動かす。
腰周囲の血流を促進。
2. 太もも裏ストレッチ(降車後)
立った状態で片脚を椅子や段差に乗せ、上体を軽く前に倒す。
ハムストリングの緊張を解消。
3. ひねりストレッチ
立って両手を腰にあて、腰を左右に軽くひねる。
腰部筋膜の滑走を改善。
💡 ポイントは「こまめに」「短時間でも」行うこと。
特に運転中は1時間に1回は休憩をとることが重要です。
■まとめ
長時間の運転は、腰への負担が非常に大きく、筋筋膜性腰痛を引き起こす大きな原因となります。
今回の症例では、
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鍼治療で急性期の痛みを軽減
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万能ストレッチ整体で可動域を改善
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セルフケアで再発を予防
という3本柱のアプローチにより、腰痛を根本から改善できました。
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