■はじめに
高齢者の方で「歩いた後にふくらはぎが痛む」というご相談は少なくありません。
その原因の一つに、過去の肉離れの後遺症(瘢痕形成による痛み) があります。
今回は、70代女性・右ふくらはぎの痛みの症例をご紹介します。
この方は過去に右ふくらはぎを肉離れし、その後しばらくは痛みがなかったものの、歩行後に再び痛みが出るようになっていました。
当院では鍼治療+瘢痕部リリース+万能ストレッチ整体という3段階のアプローチで改善を図りました。
■患者様の背景と症状
患者様は70代女性。
数年前に右ふくらはぎの肉離れを経験し、治療後は一時的に症状が落ち着いていました。
しかし最近、日課としているウォーキングや買い物帰りに右ふくらはぎの痛みを感じるようになり、歩くのが辛くなってきたとのことです。
来院時の症状は以下の通りです。
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歩行後に右ふくらはぎにズキっとした痛み
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安静時はほとんど痛みなし
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過去の肉離れ部位が硬く、押すと鈍い痛み
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階段の上り下りでも張り感や重だるさ
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下腿後面の柔軟性低下
■瘢痕痛(はんこんつう)とは?
肉離れなどの筋損傷後、回復過程で筋肉の中に瘢痕組織が形成されます。
この瘢痕は正常な筋線維とは異なり、柔軟性が低く、周囲との滑走が悪くなります。
その結果、
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動かしたときに痛みや突っ張り感が出る
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周囲の筋肉がかばって硬くなる
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血流が悪くなり疲労やこわばりが残りやすい
といった症状を引き起こします。
特に高齢者の場合は、瘢痕部位が硬くなったまま長期間放置されることが多く、再発や慢性痛の原因となります。
■当院での評価
初回評価で確認できた所見は以下の通りです。
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右腓腹筋内側頭に硬結(瘢痕組織)
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瘢痕部位の押圧で鈍痛
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足首背屈可動域の低下
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大腿〜下腿後面の筋緊張
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歩行後のふくらはぎの血流低下
これらから、過去の肉離れ後の瘢痕形成が原因となり、動作後の循環不良と筋緊張が痛みを引き起こしていると判断しました。
■施術プラン
1. 鍼治療(瘢痕部周囲)
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瘢痕部位とその周囲の筋緊張部に鍼を刺入
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血流改善と痛みの緩和
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筋膜の滑走改善
2. 瘢痕リリース手技
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手技で瘢痕部位と周囲筋膜の癒着を解放
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動きに伴う突っ張り感を軽減
3. 万能ストレッチ整体
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下肢全体の可動域改善
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足首〜膝関節の連動性を回復
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腓腹筋・ヒラメ筋の柔軟性向上
■施術経過
初回
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鍼治療後、ふくらはぎの柔らかさが向上
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歩行後の突っ張り感が軽減
2〜3回目
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瘢痕部位の硬さが徐々に減少
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階段の上り下りでの違和感が減少
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歩行後の痛みの出方が軽くなる
現在
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週1回の施術で痛みはほぼ消失
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ウォーキング後の疲労感が軽減
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家でのふくらはぎストレッチ習慣化
■再発予防のためのセルフケア
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ふくらはぎストレッチ
立位で壁や椅子に手をつき、患脚を後ろに伸ばしてかかとを床に押し付ける。 -
つま先立ち運動
ふくらはぎの筋力と血流を改善。 -
フォームローラーケア
ふくらはぎの筋膜リリースを行い柔軟性維持。
💡 ポイントは「動かす前後のケアを欠かさない」ことです。
■まとめ
今回の70代女性の症例では、過去の肉離れ後に形成された瘢痕が原因で、歩行後に右ふくらはぎの痛みが再発していました。
鍼治療と瘢痕リリース、万能ストレッチ整体を組み合わせることで、
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血流改善
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筋膜の滑走改善
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可動域の向上
が実現し、日常生活での痛みが解消されました。
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