立ち仕事を長年続けていると、どうしても体に負担が積み重なります。特に50代に入ると、体の回復力が少しずつ落ちてきて、肩や腰など日常的に使う部位に「痛み」や「張り感」が現れやすくなります。
今回ご紹介するのは、左肩の痛み(肩関節周囲炎)からスタートし、その改善とともに新たに腰部の痛みが気になるようになった50代女性のケースです。施術を通しての変化やセルフケアの重要性をお伝えすることで、同じようなお悩みを持つ方の参考になれば幸いです。
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肩の痛み(肩関節周囲炎)から始まった不調
この女性は、普段から立ち仕事に従事しており、長時間の接客や作業を日常的に行っていました。
最初に来院された際の主訴は「左肩の痛み」。特に腕を上げたり、後ろに回したりする動作で強い痛みが出ていました。
診断名としては「肩関節周囲炎(いわゆる四十肩・五十肩)」にあたり、
肩の可動域が狭い
夜間痛が強く、眠りにくい
日常動作(着替えや髪を結ぶ動作)に支障がある
といった典型的な症状が見られました。
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施術の経過:肩の改善から腰の痛みへ
施術を数回進めていく中で、肩の可動域は徐々に改善し、痛みも和らいできました。
ところが、肩の痛みが軽くなると同時に、**「左腰の痛みが気になる」**と新たな症状を訴えられるようになったのです。
これは決して珍しいことではありません。人間の体は「痛みが強い部位」に意識が集中するため、それが落ち着いてくると、隠れていた別の不調が顕在化するのです。
実際に腰を確認すると:
左腰部の筋肉の過緊張
立ち姿勢での骨盤の軽度の歪み
お尻から太ももにかけての筋肉の硬さ
が見られました。
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立ち仕事が腰に与える負担
立ち仕事を長時間続けると、腰部には次のような負担が蓄積されます。
長時間の立位による腰椎・骨盤周囲の筋肉疲労
重心が片側に寄ることによる左右差の発生
下肢の血流低下からくる筋肉のこわばり
肩や背中の不調からくる姿勢の崩れ
つまり「肩 → 姿勢の崩れ → 腰への負担増加」という流れが起こっていたのです。
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施術内容:肩から腰への移行
肩の症状が改善してきたタイミングで、施術の重点を腰部に移行しました。
腰部〜骨盤周囲の筋肉を中心にほぐす
肩・背中と腰をつなぐ筋膜のつながりを整える
立位姿勢を安定させるために、股関節・太もも周囲の柔軟性を高める
自宅でできるセルフケアを指導
この「全身を通したアプローチ」が重要です。肩だけ、腰だけと局所的に見てしまうと、根本的な改善に至りません。
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セルフケアの習得
この女性には、日常生活で取り入れられるセルフケアをお伝えしました。
① 腰回りストレッチ
椅子に座り、背筋を伸ばして体を左右にゆっくり倒す
腰の横の筋肉を伸ばすことで、立位時の負担を軽減
② 骨盤の前後運動
仰向けに寝て、膝を立てた状態で骨盤を前後に動かす
腰椎の柔軟性を取り戻す
③ 足裏ほぐし
テニスボールを足裏で転がす
立ち仕事による下肢の緊張を和らげ、腰への負担を軽減
セルフケアを「知っている」ことと「実際に継続する」ことには大きな違いがあります。彼女は積極的に取り組んでくださり、腰の痛みの改善もスムーズに進みました。
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患者様の声
「最初は肩が本当に痛くて、夜も眠れないほどでした。でも施術を受けるごとに肩が動かしやすくなり、夜も眠れるようになりました。
その後、腰の痛みが出てきて正直不安でしたが、先生から『よくある経過ですよ』と説明を受けて安心しました。腰の施術とセルフケアを並行して行ううちに、今ではだいぶ楽に立ち仕事ができるようになりました。
セルフケアは最初は面倒でしたが、続けるうちに『やらないと体が重い』と感じるようになり、今では習慣になっています。肩も腰も以前より快調です!」
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まとめ
肩関節周囲炎から腰部の痛みへ移行するケースは少なくない
「一つの痛みが改善すると、隠れていた痛みが現れる」ことがある
局所ではなく全身のつながりを意識した施術が必要
セルフケアを習慣化することで、立ち仕事の負担を軽減できる
50代以降の方は、**「肩の次は腰」「腰の次は膝」**というように、連鎖的に不調が現れやすくなります。だからこそ「痛みを取るだけでなく、体全体の動きを整えること」が大切なのです。
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