【症例ブログ】透析患者さんの肩こり・肩関節痛を改善 〜60代男性の症例とセルフケアの重要性〜

■はじめに

透析治療を受けられている方の多くは、肩こりや肩関節の痛みに悩まれています。
これは単に年齢や運動不足だけが原因ではなく、透析特有の身体負担が大きく関係しています。

今回ご紹介するのは、週3回透析に通院されている60代男性の症例です。
この方は左肩関節の痛みと、強い左肩こりに悩まされ、日常生活にも支障を感じるようになっていました。
当院では、鍼治療+万能ストレッチ整体+透析中にもできるセルフケアを組み合わせ、症状の改善と再発予防を行いました。


■患者様の背景と症状

患者様は60代男性。
週3回、各回4時間前後の透析治療を受けておられます。
治療中は長時間同じ姿勢で座っている必要があるため、肩や首の筋肉が硬直しやすくなります。

来院時の症状は以下の通りでした。

  • 左肩関節の可動域制限(特に外転・挙上時に痛み)

  • 強い左肩こりによる頭重感

  • 首から肩甲骨周囲にかけての強い筋緊張

  • 姿勢は猫背で肩が前に入り込み、肩甲骨が外側へ開いた状態

  • 長時間同姿勢後に痛み増強


■透析患者さんに肩こり・肩関節痛が多い理由

透析患者さんの肩こりや肩関節痛には、いくつかの特徴的な原因があります。

1. 長時間同姿勢による血流低下

透析中は4時間近く同じ姿勢を維持する必要があり、その間筋肉は動かされず、血流が低下します。
筋肉が酸欠状態になり、疲労物質が蓄積することで肩こりや痛みを引き起こします。

2. 姿勢不良の固定化

透析中はモニターや機械に接続されているため、自然と背中が丸まり、肩が前方に入る姿勢になります。
これが長期間続くと、猫背姿勢がクセづき、肩甲骨の動きが制限されます。

3. 運動不足による筋力低下

透析後は倦怠感や疲労感が強く、活動量が減少しやすくなります。
これにより筋肉量が減少し、肩や首を支える力が弱まり、慢性的なこりや痛みを助長します。


■当院での評価

初回の評価では、以下の所見が得られました。

  • 左肩外転可動域:100度で痛み

  • 棘上筋・棘下筋に圧痛

  • 僧帽筋上部・肩甲挙筋に著しい緊張

  • 首の回旋可動域制限(右へ30度、左へ40度)

  • 背中の丸まり(胸椎後弯)顕著

これらから、長時間同姿勢による循環不良と姿勢不良が原因で、肩甲骨周囲の筋緊張と関節可動域制限を起こしていると判断しました。


■施術プラン

当院では、次の3つの柱で施術を進めました。

1. 鍼治療による血流改善と鎮痛

  • 棘上筋・棘下筋・僧帽筋上部・肩甲挙筋へ刺鍼

  • 刺鍼後に低周波通電療法を併用し、血流促進

  • 痛みの軽減と筋緊張の緩和

2. 万能ストレッチ整体による可動域改善

  • 肩甲骨の内転・外転ストレッチ

  • 胸郭の可動性を高める胸開き整体

  • 首〜背中の連動性改善

3. 透析中・透析後にできるセルフケア指導

  • 座位での肩回し運動

  • タオルを使った胸開きストレッチ

  • 首の側屈・回旋運動


■施術経過

初回〜3回目

  • 鍼治療後、肩の軽さを実感

  • 外転可動域が100度→120度に改善

  • 頭重感も軽減

4〜6回目

  • 万能ストレッチ整体により肩甲骨の可動性向上

  • 猫背姿勢が改善

  • 透析翌日の肩こりが軽くなる

7回目以降

  • 痛みはほぼ消失

  • 月1〜2回のメンテナンス施術へ移行

  • セルフストレッチを透析中にも実践


■透析中でもできる肩こり予防運動

  1. 肩回し運動
     前後に大きく回す。1回20回を目安に。

  2. 胸開きストレッチ
     手を後ろで組み、胸を開く。

  3. 首のストレッチ
     片手で頭を横に倒し、反対側の首筋を伸ばす。

💡 透析中は無理のない範囲で、小さな動きでも構いません。
大切なのはこまめに動かすことです。


■まとめ

今回の症例では、透析特有の長時間同姿勢による血流低下と姿勢不良が、肩関節痛と肩こりの原因となっていました。
当院の鍼治療+万能ストレッチ整体+セルフケア指導により、症状は大幅に改善し、再発予防の習慣も身につきました。

透析中や透析後に肩の痛み・こりでお悩みの方は、早めのケアをお勧めします。
長年続く慢性痛も、適切なアプローチで改善可能です。


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